りゃまがたのウイスキーノート

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テイスティングとウイスキーにまつわる雑談

80年代ジョニーウォーカー赤・黒

今回は80年代のジョニーウォーカー赤と黒テイスティングします。現在のメルカリの相場だと赤は3000~4000円、黒は4000~5000円くらいです。市場に出回る数が減っているし、物価が上がっているし、徐々に値上がりするはずです。今回飲んで美味しければ、今のうちに買い足そうと思います。

ちなみに以前、ジョニ黒の現行品・90年代後半・90年代前半の3本を飲み比べました。記事にしているので、興味があったら読んでみてください。

ryamagata.hatenablog.com


年代識別、ボトルの比較

製造された年代を識別する手掛かりとして、まず確認すべきことは「特級」の表記があるかどうかです。これは1989年の酒税法改正で廃止になった級別区分のひとつで、この表記があるということは1989年以前のものということになります。

容量も確認すべきポイントで、今回テイスティングする2本のように750mlだと80年代のもの、760mlだと70年代と考えられています。

また、ジョニ黒の場合、80年代は黒と金のキャップで、70年代は金のキャップという違いもあります。(ジョニ赤は80年代も70年代もキャップは赤と金です。)

ちなみにアルコール度数は赤、黒ともに43%です。

 

ジョニ赤(80年代)をテイスティング

まず色味からですが、ジョニ赤は黄金色で、ジョニ黒はそれより濃い茶色がかった色です。

香り:

はちみつの甘さ。酸っぱさが特徴的で、それにより軽い印象になっている。マスカットのような爽やか系のフルーティーさ。過度ではないがしっかりと感じ取れるスモーキーさもあり。

 

味わい:

現行品にはないコクと若干の酸味があり、キャラメルのような甘味。スモーキーさは香りほど感じない。酒質は軽く、アルコール感はない。鼻から抜ける余韻はほぼなく、中盤以降から感じるスパイシーさが口内に残り、アクセントになっている。

 

軽い酒質なのでじっくり味わって飲むというタイプのウイスキーではないですが、コクがあり、単調な感じはしません。


ジョニ黒(80年代)をテイスティング

香り:

スモーキーさが強く、それに甘さが伴う。甘さはビスケットなどの焼き菓子のような印象。酸っぱさもある。現行品とは全く違う、重みのある香り。

 

味わい:

口に入れた直後は穏やかな甘味だけを感じたが、その後、スモーキーさがぐっと立ち上がり、かすかに酸味が残る。余韻はジョニ赤より感じるが強くはない。


ジョニ赤より香り、味ともに線が太く、ボディの重さを感じました。飲みごたえはジョニ黒、爽やかさはジョニ赤に軍配が上がるという感じです。


まとめ

今回の最大の収穫は、赤・黒ともに現行品と全く異なることを確認できたことです。当時と今の麦の品種の違いなのか、80年代のジョニーウォーカーは味が濃く、独特のコクがあります。ややもすれば野暮ったいと評されるような味わいで、現行品はその部分をごっそりなくし、クリアで飲みやすく仕上がっています。

値上がりが予想される中、今のうちに購入しておくのは得策かもしれません。ただ私の場合、また購入するかと聞かれたら答えはノーです。現行のウイスキーと比べるとこってりとした味わいで、そこが良さでもあるのですが、ボトル1本飲むとなるとしつこく感じます。4000~5000円を出すのなら、グレンリベット12年あたりのほうが飽きずに、気軽に飲めます。

ただ、ひとえに現行品との違いを感じられるという点においては大いに飲む価値があります。おすすめはまずバーで一杯飲んでみること。ボトルを買ってみたが口に合わない、飽きてしまったという事態を避けられます。

また、今回の2本は幸いにも問題ありませんでしたが、オールドボトルには品質の劣化がつきもの。ボトルを見ただけでは完璧に劣化を見抜くことはできません。バーであれば品質が保証されたものを提供してくれるはずですから、その点でもおすすめです。