りゃまがたのウイスキーノート

りゃまがたのウイスキーノート

テイスティングとウイスキーにまつわる雑談

ラガヴーリン16年 カリラ12年 飲み比べ

坂本慎太郎のライブ

先日、坂本慎太郎のライブを観に熊本県八代市に訪れました。福岡や熊本など九州の主要な都市で開催せずなぜ八代なんだろう、と思っていましたが、会場の「キャバレーニュー白馬」を見て納得。天井にシャンデリアとミラーボールが下がっていて、レトロでノスタルジックな雰囲気を醸しています。陽気ででも退廃的な感じのする坂本慎太郎の音楽にぴったりでした。

 

量り売りウイスキー

さて、ライブ前に寄った酒屋で量り売りのウイスキーをいくつか買いました。店主曰く熊本県内で量り売りをしているのはここだけとのこと。酒販免許とは別に届出が必要で面倒らしいです。

8246.anshinnamachi.com

購入したのはラガヴーリン16年、ベンロマック10年、グレンファークラス105を60mlずつ。確かラガヴーリンは1200円ほどで、ほかは2つは600円ほどだったと思います。(容器を返却すると50円戻ってくるそうです。)

いまや店頭に並ぶことがほとんどないラガヴーリン16年を試せるのはうれしいですね。早速、飲んでみると同じくアイラモルトのカリラ12年と似ているように思いました。そこで今回はラガヴーリン16年とカリラ12年をじっくり飲み比べてみたいと思います。両方ともアルコール度数43度で、その点でも飲み比べにうってつけです。

 

カリラ12年

まずはカリラ12年から。色は薄い黄金色です。

香りは磯っぽいスモーキーさに加えて、モルティさ、オレンジピールのような爽やかさがあります。
ずっと嗅いでいると鼻がスモーキーさに慣れ、爽やかで甘い香りが目立つようになります。

では実際に飲んでみます。口に含むとひんやりとした冷たさがあります。

まず磯っぽいスモーキーさがあり、つづく甘さは柑橘系というより麦っぽい感じです。香りの印象よりは甘さが控えめでドライですね。ライトな酒質ですが、麦っぽさが爽やかすぎず、味に深みを与えています。

飲み込んだ後にアルコールの辛さが残りますが、何口か飲んでいると慣れて感じなくなりました。

鼻から抜ける余韻はスモーキーで短く、終始ライトな印象です。香りも含め、荒々しいというより綺麗で華やかなウイスキーですね。


ラガヴーリン16年

つづいてはラガヴーリン16年です。色はカリラより濃く、より茶色いニュアンスです。

香りから感じるスモーキーさは磯っぽいというより野焼きで草を焼いた煙の感じです。
麦と熟したフルーツっぽい香りなかに甘酸っぱさがあり、重厚感があるものの重すぎず、ずっと嗅いでいたくなる良い香りです。スモーキーさはカリラより弱く、そのほかの要素をより多く感じます。

飲んでみると、やはりカリラよりスモーキーさが控えめで、甘みや酸味、鰹節のようなコクを感じます。

16年熟成ということで丸みがあり、カリラよりスモーキーさやパンチが弱い一方、風味が豊かで穏やかです。アルコール感もありません。飲み込んだ後は緩やかな余韻が長く続き、しっぽり飲むのに向いたミディアムボディのウイスキーです。

 

結論

飲み比べてみると結構異なっていました。スモーキーさの種類もカリラが磯っぽいならラガヴーリンは野焼きっぽい、酒質もライトとミディアムで差がありました。しいて言うなら、麦っぽい味わいが似ているかもしれません。これはアードベッグTENやラフロイグ10年にはあまり感じません。

ラガヴーリン16年は非の打ちどころのないおいしさでした。ただ、店頭で見ることはなく、メルカリでは13000円ほどのプレ値で取引されています。最近はアードベッグTEN、ラフロイグ10年も高騰して7000~8000円ほどになり、手を出しにくくなりました。5500円前後のカリラ12年や、4000円前後のボウモア12年など、安定供給品の中でお気に入りを見つけるのが現実的かもしれません。