りゃまがたのウイスキーノート

りゃまがたのウイスキーノート

テイスティングとウイスキーにまつわる雑談

ボウモア12年&15年

ロックが美味しいウイスキー

シングルモルトはストレートで飲むことが多いのですが、ボウモア12年はロックだと甘味が強まり好みの味になります。そこで今回は先日衝動買いしてしまったボウモア15年と、ストレートとロックで飲み比べてみます。

余談ですが、同じ銘柄の熟成年数違いを飲み比べることを「縦飲み」と言うそうですが、Googleで「縦飲み」と検索すると授乳時の姿勢についての情報ばかりヒットします。

 

ボウモア12年の基本情報

12年の基本情報から。アルコール度数40%で、色は琥珀色。値段は近隣のスーパーで4500円、ハーフボトルが2500円ほど。今回はメルカリで2200円で購入したハーフボトルを飲みます。

樽構成については酒販店などのサイトにバーボン樽とシェリー樽が使われていると書かれています。また、サイトによってはバーボン樽原酒が65%、シェリー樽原酒が35%と書かれていますが、サントリーの公式サイトには記載がないので正確にはわかりません。

 

まずはストレートで

香り:スモーキーさと潮気があると同時に、酸味を感じさせる爽やかでフルーティーな香り。

味わい:ライトな飲み口。蜜っぽい甘さとスモーキーさ、かすかに麦っぽさがある。香りほどのフルーティーさは感じられない。シェリー樽の影響か余韻はビターな印象。多少アルコール感あり。

 

つづいてロックで

香り:海藻由来のようなヨード香が強まり、甘さが後退した。

味わい:香りと裏腹に蜜のような甘さがぐっと強まる。一方でスモーキーさとビターさは穏やかになり飲みやすい。アルコール感はない。

 

やはりボウモア12年はロックでこそ真価を発揮すると思います。アルコール度数が40%と低いため、氷が解けると水っぽくなるので、十分に冷えたぐらいの段階で氷を取り除くのがよさそうです。

 

ボウモア15年の基本情報

ボウモア15年はアルコール度数は43%で、色は赤褐色。12年と比べると結構色が違いますね。

左が12年、右が15年

 

定価は税込み10120円で、市場価格は9千~1万円でしょうか。これもメルカリで購入し、8350円でした。

サントリーの公式サイトに「バーボン樽で12年間熟成させた原酒を、オロロソ・シェリー樽で3年間熟成。」と樽構成が明記されています。

www.suntory.co.jp

 

まずはストレートで

香り:シェリー樽由来のベリー系の香りが前面にあり、それにスモーキーさが付随している感じ。12年と比べて香りがかなり強まっている。

味わい:ベリー系の甘味を感じた後、スモーキーさがアクセントとして加わる感じで、バランスが良い。12年より味が濃く、鼻に抜ける余韻が強まっている。一方でアルコール感は弱まっており好印象。余韻はかすかにビター。

 

つづいてロックで

香り:全体的に香りが抑えられ、かすかにヨード香を感じる。

味わい:甘さがベリー系から蜜のような甘さに代わり、12年に近い味わいに。

 

15年はストレートだとシェリー樽由来のベリー系の甘さが前面に感じられます。加えて、香り、味わい、余韻のそれぞれが12年より強く感じられ、熟成年数が長い分順当にアップグレードしているという印象でした。ロックは12年と似たような味になり、シェリー樽の特徴をつかみづらくなりました。

まとめ

飲み比べをしたことで12年と15年はキャラクターにはっきりとした違いがあることがわかりました。

 

ボウモア12年

・蜜のような甘さとスモーキー

・ライトな酒質

・おすすめの飲み方はロック

 

ボウモア15年

・ベリー系の甘さ

・落ち着いたスモーキーさが良いアクセントに

・重厚感がUP

・おすすめの飲み方はストレート

シェリー樽熟成かつスモーキーなウイスキーが好きな人にぴったり

 

ここまでレビューしておいて何ですが、個人的にボウモア12年、15年ともにあまり好みではありません。お世辞にも多層的とは言えず、少し野暮ったく感じてしまいます。同じアイラモルトだとアードベッグTENかカリラ12年のほうが好きですね。

ただボウモア12年、15年をじっくり飲むとわかるのですが、それぞれに特徴があり、完成度が高いウイスキーであることに間違いありません。機会があればより熟成したボウモア18年を飲んでみたいです。