余市と竹鶴
今回はニッカのシングルモルト「余市」と同じくニッカのブレンデッドモルト「竹鶴」を飲み比べます。
日本のシングルモルトといえば真っ先に名前があがるのがサントリーの山崎、白州で、それにニッカの余市、宮城峡がつづくという感じでしょうか。
どれもそれぞれの個性が光る人気のウイスキーですが、個人的にずば抜けて余市が好きです。
以前記事にしましたが、特に開栓から数か月経ったボトルは甘さが際立ち、スモーキーさと酸味とのバランスが素晴らしいです。ストレートもロックもハイボールもおいしいオールラウンダー。
1,2年前と比べると品薄状態が解消され、店頭で見かけることが増えました。
一方、竹鶴を店頭で見たのは1年ほど前のことで、ザ・ニッカとの抱き合わせ販売でした。抱き合わせとはいえ定価だったのでさんざん悩みましたが、購入せず。以降一度も見たことがなく、そのとき買わなかったことを後悔していました。
今回の用意した竹鶴は以前に別の記事で紹介した熊本県の酒屋「アルマ つのだ本店」で購入した60mlの量り売りのものです。値段は確か1000円ほどだったと思います。
前回のラガヴーリン16年もそうですが、貴重なウイスキーを少量でも味わえる量り売りは本当にありがたいです。
基本情報
飲み比べの前に余市と竹鶴の基本情報を抑えておきましょう。
ともにニッカウヰスキーが製造していて、余市は余市蒸留所のシングルモルト、竹鶴は余市蒸留所と宮城峡蒸留所のモルト原酒をかけ合わせたブレンデッドモルト(ピュアモルト)です。
アルコール度数は余市が45%で、竹鶴が43%。価格はともに4950円(税込み)です。
余市をテイスティング
すでに別の記事で紹介しているので、特徴をかいつまんで紹介します。
香り:熟したフルーツの甘酸っぱい香りとかすかなスモーキーさ。
味わい:黄桃のような甘さと酸味。香り以上に強いスモーキーな余韻。多少のアルコール感。
いつ飲んでもおいしいです。
竹鶴をテイスティング
竹鶴は今回初めて飲みます。常時品切れで人気のほどがうかがえるので楽しみです。
香り:綿あめのような強い甘さ。スモーキーさは感じない。
味わい:どっしりとした甘味。糖度の高いトウモロコシの甘味を強くした感じ。かすかにスモーキーさ。余韻に麦っぽさ。アルコール感はほとんどない。
1回目のテイスティングは先にアルコール度数が高くスモーキーな余市を飲んでしまったため、奥行きが感じられませんでした。幸い60mlの半分しか注いでいなかったので、翌日テイスティングしなおしました。
2回目で気づいたのは余韻の麦っぽさが良いアクセントになっていることです。ただ、相変わらず甘さを強く感じ余市も甘いと思っていたけれど、それがかすむほどです。フルーティではなく、若干べたついた感じの甘さなので好みが分かれるかもしれません。
個人的な感想
やっぱり余市はおいしいです。甘さ・酸味・スモーキーさのバランスが良く、複層的な味わいです。また、個人的に甘いけど甘いだけじゃないウイスキーが好きなので、好みど真ん中です。
一方、竹鶴は甘くてアルコール感が少なくて、余市より飲みやすいけれど、面白みがないという印象です。2つの蒸留所の原酒をかけ合わせたブレンデッドモルトなので複雑な味わいを期待していた分、意外でした。