Kyushu Distillery Festival Saga 2025【参加レポート】
佐賀のウイスキーフェス
5月25日に開催された「Kyushu Distillery Festival Saga 2025」に参加しました。
昨年開催の「ウイスキー&スピリッツフェス佐賀2024」が名前を改めたイベントで、九州内外の蒸留所、バーなどがブースを出し、ウイスキーやジンなどの無料&有料の試飲を楽しめます。
今年の入場料は前売り券が3300円、当日券が4400円でした。昨年は前売り券・当日券ともにも2000円だったので、結構値上がりしました。
会場は結婚式場の小ホール2部屋でしたが、狭くて人がごった返し、窮屈でした。特に部屋の角はふたつのブースに並ぶ集団が重なり合い、試飲を受け取った人が戻ってこれないほどでした。また、キッチンカーのフードを食べるのにテーブルと椅子が埋まっていて、植木の横の空いた場所に腰掛けました。
昨年の会場は公園で、広々としていて混みあっておらず、爽やかな雰囲気がありました。屋内の会場は雨天でも開催できる良さがあるとはいえ、入場料の高さと会場の狭さを考えるとグレードダウンした感が否めません。
ウイスキーはどこでどういう風に飲むかが大切なように思います。同じウイスキーでも家よりもバーのほうがおいしく感じるし、閉塞感のある人だかりで飲むより、広々とした空間で身も心もゆとりをもって飲む方がおいしか感じるはずです。
ちなみに、来年も結婚式場で開催することが決定しています。少し残念ですが、大都市ではない佐賀県でこういったイベントが開催されること自体が貴重なので、改善しつつ、今度もぜひとも続いてほしいです。
テイスティングメモ
今年も飲んだウイスキーを写真とともに簡単にレビューしていきます。
無料試飲も有料試飲もプラカップで10㎖ずつ提供されます。より良く味わうため、今年もグレンケアンのグラスを持参し、それに移し替えてテイスティングしてます。
好印象だったものから順に紹介します。
スプリングバンク12年(1000円)
福岡市内のバーのプライベートカスク。46%。華やかなシェリーの香り。飲むとスプリングバンクらしい塩っぽさがあり。重厚感もあり。この日一番の美味。

ウィルソン&モーガン カリラ15年(400円)
甘味以外にも酸味があり、好みでした。

ウィルソン&モーガン カリラ2015(200円)
カリラ飲み比べ。甘い。事前にオーキーとの説明があったけれど、確かに樽っぽい。

ボウモア12年 1990年代(1000円)
パフューム香があり好き嫌いが分かれるといわれる90年代のボウモア12年。初めて飲みましたが、意外と優しく、後にほんのり甘い。パフューミーはわかりませんでした。

余市15年(1500円)
2015年に終売。現行余市NAの麦っぽさはなく、華やかで後味ビター。ざっくりした言い方ですがスコッチっぽい。より個性を感じる余市NAの方が好きです。

カバラン トリプルシェリーカスク(無料)
甘くて優しいシェリー。カバランは熟成が短いからか特にバーボン樽は単調に感じますが、これはバランスが良く、飲みやすかったです。

シルバーシール グレンロセス25年(1500円)
今回一番高価な試飲でしたが、記憶に残っていない・・・。
津貫2025(無料)
複雑さに欠け、若く感じる。2024の方が美味しい?
山鹿(無料)
熊本県の蒸留所のシングルモルト。まだ3年未満?とても甘くて、単調。
雑記
振り返ってみて、自分のテイスティングメモの雑さにがっくし来ました。酔っていたのか、混みすぎて書く余裕がなかったのか。
テイスティング以外で心に残っているのは、ベンリアックの旧ボトルばかり取り揃えたブースが値上げをしていたことです。昨年500円で飲めた90年台のものが、今年は1500円に・・・。味も良くて、昨年はそこで何杯も飲みました。きっと昨年の価格設定が安すぎたのでしょう。
【レビュー】ニッカ フロンティア & グレンドロナック10年

ラフロイグ三昧
レビューの前に、2月に行った千葉県富里市の「BAR TSUCHIYA」の感想です。もう9ヶ月も前のことになりますが・・・。
「BAR TSUCHIYA」はラフロイグを豊富に取り揃えている店で、8種のラフロイグを飲みました。写真の左から、以下の通りです。

・PXカスク
・10年シェリーオークフィニッシュ
・THE 1815 レガシーエディション
・LORE
・ポートウッド
・カーディス
・30年
・10年 カスクストレングス バッチ16
個人的にPXカスク、ポートウッド、バッチ16が好きでした。美味しいウイスキーを飲みながら、マスターとウイスキーにまつわる話をするのは最高な時間でした。
2本をレビュー
さて今回は特にテーマを決めずら最近飲んだ2本をざっくばらんにレビューします。
ラインナップはニッカ フロンティアとベンロマック10年です。
ニッカ フロンティア

昨年ニッカウヰスキーが発売したブレンデッドウイスキーです。4月の出荷分から飲食店専用に切り替えるとのことでしたが、半年以上経った現在でも近所のスーパーやコンビニにはまだ置いてあります。
価格は税込2200円。500mlボトルなので、700mlに換算すると3080円。他のノンエイジのブレンデッドウイスキーと比べて高価格ですをその分、アルコール度数が48度と高めであり、モルト比率も51%以上でブレンデッドウイキーにしては高い設計です。
香り:
スモーキーさ、モルトの香り、甘い香り。
シングルモルトと言われたら信じてしまいそうな、モルト感のある骨太な香りです。
味わい:
みたらし系の甘み、鼻に抜けるスモーキーさ、フィニッシュに残るビターさ。
甘み、スモーキーさ、ビターさ、それぞれがしっかり味わえる。
香りはモルティーだが、甘さはグレーン由来と思われる少しべったとした甘さ。
アルコール度数の高さも相まって味の感じ方は強いもの、複雑・贅沢な感じではなく、直線的でブレンデッドによくある味わいという印象。
ストレートで飲んでも過度にアルコール感を感じず、ノンエイジなのにしっかりしている、という印象です。
ただ、ストレートで飲むなら4000円台のシングルモルトがあるし、ハイボールなら1500円程度で買えるブラックニッカ ディープブレントが秀逸です。フロンティアはなかなか難しい立ち位置だと思いました。
ベンロマック10年

スペアサイドのシングルモルトで、アルコール度数は43度。6000円ほどで購入しました。樽構成はバーボンとシェリーで熟成し、最後の1年をファーストフィルのオロロソで後熟しています。
香り:
酸味のある甘い香り。フルーティというより麦っぽく、温かみがあってほっとする感じ。強すぎないけれどしっかり感じ取れるスモーキーさもあります。
味わい:
概ね香りの通りで、甘くて、重みがあります。甘さはクッキーのような麦っぽいものとかすかにベリー系を感じます。酸味は香りの印象より強いです。
ウイスキー&スピリッツフェス佐賀2024【参加レポート】
謎のボウモア

先日友人宅で見たことのないボトルのボウモアを飲みました。ラベルには12年熟成とアルコール度数57%の表記に加え、テイスティングノートが書かれています。
実際に飲んでみると、濃厚な味わいでありながら、スモーキーさは現行のボウモア12年より抑え目です。また、80年代のジョニーウォーカーを飲んだときに感じた、当時の品種の麦由来と思われる香ばしさを味わえました。アルコールのアタックは57%とは思えないほど穏やかで、飲みやすいです。
持ち主曰く、実家の仏壇にあったもので、見つけたときは未開栓の新品だったとのこと。フタがプラスティックなので、すごい古いものではなく1980年代ほどのものでしょうか。また、ボトルの形状、ラベル、アルコール度数などから、ほぼ確実にオフィシャルのものではなく、ボトラーズ、もしくは個人的にボトリングされたもののように見えます。
詳細がさっぱりわからないので、ご存じの方、教えていただけると嬉しいです。
佐賀のウイスキーフェス
さて、今回は6月2日に佐賀市内で開催された『ウイスキー&スピリッツフェス佐賀2024』に参加したので、会場の様子や飲んだウイスキーの感想を記録したいと思います。
会場は佐賀市内の屋外施設「ARKS(くすかぜ広場)」で、入場料は2000円でした。会場には蒸留所やバーのほか、個人コレクターがブースを出していて、有料と無料の試飲がありました。当日は大盛況で、公式サイトの発表によると予想を超える来場者数だったため、終了2時間前から入場制限をしたとのことです。
試飲はプラカップに注いでもらえるのですが、私はグレンケアンのテイスティンググラスを持参し、プラカップからグラスに移して飲んでいました。飲んだ後はグラスに水を注ぎ、グラス内の風味をリセットするとともに、チェイサーとして飲んでいました。私が見たところ、グラスで飲んでいる客はほかにいませんでしたが、じっくりとウイスキーを堪能できるので、持参することをおすすめします。
ウイスキーの記録
試飲は1回につき10㎖で、ここで紹介するほかにジンなども含め、計20回ほど飲んだと思います。
時間が経ったためほとんど記憶に残っていないのですが、それでも強く印象に残っているものから順に載せていきます。
「津貫2024年エディション」&「駒ヶ岳2023エディション」(無料)

無料試飲でもっともおいしかったのが、この津貫でした。隣に並んでいる駒ヶ岳より特徴があり、好みの味でした。おいしくて3回も試飲させていただき、後日ボトルを購入しました。開栓したらレビューします。
80年代のベンリアック(500〜1000円)


つづいて、兵庫県の「Bar Main Malt」さんのブースのベンリアック群です。ブースには70、80年代のオールドボトルばかり並べてあり、500~3500円で試飲できました。私はここで500~1000円の80年代の3本のボトルを試飲しましたが、どれもおいしくて感動しました。
「余市10年」(800円)

ノンエイジの余市が好きなので楽しみにしていたが、期待を上回るものではありませんでした。価格と入手性を考えるとノンエイジで十分と感じました。
「ダルユーイン1971」(2000円)

アルコール度数40度かつ、古すぎるためか、個性がなく感動はありませんでした。
以下は普通においしかったものと、あまり印象に残っていないものです。
「スプリングバンク ザ・テイスティング・ルーム」(1500円)

「オスロスク(2008-2023)」(1000円)

「リンクウッド1990 24年」(1000円)

「ジョンベッグ ブルーキャップ(50年代)」(値段不明)

「ブッシュミルズ12年」(無料)

「嘉之助シングルモルト」&「嘉之助ダブルディスティラリー」(無料)

「山鹿ニューボーン2023」(無料)

記録は以上となります。
ウイスキーのイベントに参加したのは今回が初めてでしたが、安価にたくさんの種類のウイスキーを味わえて大満足でした。
【アイラの美酒】ボウモア18年

Bar Kitchen
先日、福岡の有名なモルトバー「Bar Kitchen」に初めて訪れました。オーナーが気さくで、ウイスキーにまつわる話やお店の変遷などの話を聞かせていただき、リラックスして楽しめました。
こちらからのリクエストにより、シェリー樽熟成のウイスキーばかりを選んでいただきました。中でも最も印象的だったのはカーンモアの10年熟成のハイランドパークです。若めの熟成年数かつ47.5度の加水タイプながら、シェリー感&スモーキーさのバランスが良く、その日飲んだ熟成年数がより長いウイスキーに引けを取らないおいしさでした。
ハーフショット5杯、チャージ込みで7700円でした。気になっていたアードベッグのバザーベキューも飲めてよかったです。

余談ですが、バーに行く前に映画館で『悪は存在しない』を鑑賞しました。濱口竜介監督の作品がどれも好きなので、期待していたのですが、その期待を上回る面白さでした。濱口作品のほか、最近の是枝監督の作品が好きな方におすすめです。
オフィシャルのボウモアたち
今回はボウモア18年をテイスティングします。ボウモアと言えば、以前12年と15年を飲み比べています。率直な感想としてはボウモアは12年も15年も好みではありませんでした。
アップグレード版であるボウモア18年をテイスティングし、12年と15年と同じような感想になるのか、はたまた印象がくつがえるのか、確かめてみます。
基本情報

アルコール度数43%。公式サイトには、スパニッシュオーク樽の原酒の比率が12年、15年と比べて高く、スモーキーさの中にスウィート感が際立つ、との記載があります。
2023年12月にアマゾンで12589円で購入しました。2024年5月27年現在では15280円で販売されています。
ストレートでテイスティング
香り:
磯のようなスモーキーさ。つづいて甘さと酸っぱさが混じる、赤いベリー系の香りをはっきりと感じる。チョコっぽさ。アルコール感は全くない。
12年、15年より抑え目なスモーキーさと、フルーティーさのバランスが素晴らしい。
味わい:
優しく包み込むようなスモーキーさ。味わいはベリーというより、はちみつ系。序盤の甘さ、酸味に加え、中盤から終盤にかけて樽由来と思われるスパイシーさとビターさ。
香りの印象よりドライ。ライト寄りのミディアムボディで、香りの強さに比べると軽い印象。余韻は短い。
まとめ
ボウモア18年は紛うことなき12年・15年のアップグレード版でした。シェリー樽の特徴が強まり、中熟ものらしくアルコール感は全くと言っていいほど感じませんでした。そして、甘さ、酸味、スパイシーさ、ビターさといった要素を口の中で次々に楽しめます。
ただし、個人的には同じアイラの中熟ものであるラガヴーリン16年のほうが好みです。ラガヴーリン16年は好意的にとれる味の要素が豊かで、甘さに加えて、重厚感、麦っぽさ、出汁感が感じられます。
一方で、ボウモア18年ははちみつっぽい甘さの他にもスパイシーさとビターさを感じるものの、個人的にこれらは満足度を高める要素ではありません。
また、ラガヴーリン16年が1万円ほどであるのに対し、ボウモア18年は1.5万円。価格でもラガヴーリン16年に軍配が上がります。
ここまで来たらボウモア25年も飲んでみたいですが、定価は約9万。夢のまた夢です。
グレンフィディック12年&グレンリベット12年 飲み比べ
超基本のシングルモルト

グレンフィディック12年とグレンリベット12年は、初めての飲むシングルモルトとして選ばれることが多いようです。その理由として、スぺイサイドのウイスキーらしい華やかで飲みやすい味わい、シングルモルトとしては安価な4000円前後であること、スパーで買える入手性の高さなどが挙げられるでしょう。
私自身のことになりますが、実はつい最近までこの2本を飲んだことがありませんでした。ウイスキーを飲み始めたころなぜか飲む機会がなく、以降も「初心者向けのシングルモルト」というイメージのせいで、進んで手に取ろうとしませんでした。
一方で、この超基本の2本を飲まないままでいることに居心地の悪さを感じていました。そこに昨今ウイスキーの値上げや、個性的なウイスキーに飽きてきたなどのタイミングが重なり、今回ついに購入することにしました。(ちなみに、保険をかける意味で2本ともハーフボトルです。)
そこで今回はグレンフィディック12年とグレンリベット12年の2本を飲み比べし、初心に戻ってじっくりと味わいつつ、どちらが自分好みかを探りたいと思います。
基本情報
前述のように2本ともスぺイサイドのウイスキーで、ともにアルコール度数は40%です。2024年4月9日現在、近所のスーパーでグレンフィディック12年は3980円、グレンリベット12年は4580円で売っていました。
グレンフィディック12年をストレートでテイスティング

香り:
爽やかなりんごと麦の香り。香りの感じ方は弱い。
味わい:
良く言えば優しい甘さ。悪く言えば形容しがたい特徴のない甘さ。味が薄く、奥行きにかける。飲み込んだ後は舌にアルコール感とビターさが残る。鼻に抜ける余韻はほとんど感じない。
味が薄く、特徴をつかみにくいです。そのため実際以上にアルコール感が目立っている印象です。
グレンリベット12年をストレートでテイスティング

香り:
りんご系の爽やかな香り。グレンフィディック12年より重たい(濃い)。
味わい:
リンゴのようなフルーティーな甘味と酸味。鼻に抜ける甘く爽やかな余韻。
香りと味の濃さ、余韻に強さにおいてグレンフィディック12年を上回っています。また、酸味があることでより複層的な味わいになっています。
結論
お察しの通り、私は完全にグレンリベット12年推しです。はっきりと違うのは味の濃さ。真偽は定かではありませんが、最近のグレンリベット12年は以前と比べて味が濃くなったという話を聞きます。また、個人的に酸味があるウイスキーが好きなので、そこもぐっときたポイントです。気軽に飲める美味しいシングルモルトであり、今のボトルが空になったらフルボトルでリピートするつもりです。
一方のグレンフィディック12年は、すいすい飲めますが、味が薄くて物足りないです。似たような理由からグレンモーレンジィ10年もあまり好みではありません。多少重みがあり、ストレートで飲む醍醐味を感じさせてくれるウイスキーが好みです。
【追記(2024年4月19日)】
グレンフィディック12年をハイボールにしたらりんごのような風味がふわっと広がり、美味しかったです。このウイスキーの飲み方の正解はハイボールのようです。
80年代ジョニーウォーカー赤・黒
今回は80年代のジョニーウォーカーの赤と黒をテイスティングします。現在のメルカリの相場だと赤は3000~4000円、黒は4000~5000円くらいです。市場に出回る数が減っているし、物価が上がっているし、徐々に値上がりするはずです。今回飲んで美味しければ、今のうちに買い足そうと思います。
ちなみに以前、ジョニ黒の現行品・90年代後半・90年代前半の3本を飲み比べました。記事にしているので、興味があったら読んでみてください。
年代識別、ボトルの比較
製造された年代を識別する手掛かりとして、まず確認すべきことは「特級」の表記があるかどうかです。これは1989年の酒税法改正で廃止になった級別区分のひとつで、この表記があるということは1989年以前のものということになります。

容量も確認すべきポイントで、今回テイスティングする2本のように750mlだと80年代のもの、760mlだと70年代と考えられています。
また、ジョニ黒の場合、80年代は黒と金のキャップで、70年代は金のキャップという違いもあります。(ジョニ赤は80年代も70年代もキャップは赤と金です。)
ちなみにアルコール度数は赤、黒ともに43%です。
ジョニ赤(80年代)をテイスティング

まず色味からですが、ジョニ赤は黄金色で、ジョニ黒はそれより濃い茶色がかった色です。

香り:
はちみつの甘さ。酸っぱさが特徴的で、それにより軽い印象になっている。マスカットのような爽やか系のフルーティーさ。過度ではないがしっかりと感じ取れるスモーキーさもあり。
味わい:
現行品にはないコクと若干の酸味があり、キャラメルのような甘味。スモーキーさは香りほど感じない。酒質は軽く、アルコール感はない。鼻から抜ける余韻はほぼなく、中盤以降から感じるスパイシーさが口内に残り、アクセントになっている。
軽い酒質なのでじっくり味わって飲むというタイプのウイスキーではないですが、コクがあり、単調な感じはしません。
ジョニ黒(80年代)をテイスティング

香り:
スモーキーさが強く、それに甘さが伴う。甘さはビスケットなどの焼き菓子のような印象。酸っぱさもある。現行品とは全く違う、重みのある香り。
味わい:
口に入れた直後は穏やかな甘味だけを感じたが、その後、スモーキーさがぐっと立ち上がり、かすかに酸味が残る。余韻はジョニ赤より感じるが強くはない。
ジョニ赤より香り、味ともに線が太く、ボディの重さを感じました。飲みごたえはジョニ黒、爽やかさはジョニ赤に軍配が上がるという感じです。
まとめ
今回の最大の収穫は、赤・黒ともに現行品と全く異なることを確認できたことです。当時と今の麦の品種の違いなのか、80年代のジョニーウォーカーは味が濃く、独特のコクがあります。ややもすれば野暮ったいと評されるような味わいで、現行品はその部分をごっそりなくし、クリアで飲みやすく仕上がっています。
値上がりが予想される中、今のうちに購入しておくのは得策かもしれません。ただ私の場合、また購入するかと聞かれたら答えはノーです。現行のウイスキーと比べるとこってりとした味わいで、そこが良さでもあるのですが、ボトル1本飲むとなるとしつこく感じます。4000~5000円を出すのなら、グレンリベット12年あたりのほうが飽きずに、気軽に飲めます。
ただ、ひとえに現行品との違いを感じられるという点においては大いに飲む価値があります。おすすめはまずバーで一杯飲んでみること。ボトルを買ってみたが口に合わない、飽きてしまったという事態を避けられます。
また、今回の2本は幸いにも問題ありませんでしたが、オールドボトルには品質の劣化がつきもの。ボトルを見ただけでは完璧に劣化を見抜くことはできません。バーであれば品質が保証されたものを提供してくれるはずですから、その点でもおすすめです。
冬に飲みたいウイスキー2選
ウイスキーがもし人間だったら
以前どこかで聞いた話で、ウイスキーを人間に当てはめたとき、熟成年数を2倍にした数字を年齢とするとしっくりくるそうです。
例えばボウモア12年の場合、まだ若いけれどしっかりとした個性を持っていて、言われてみれば24歳の青年のようです。ボウモア15年はシェリー樽による追熟で深みが増した一方、まだ伸びしろがあるような感じで、人間にして30歳と思うとこれもそこまで違和感はありません。
他にもいろんなウイスキーに当てはめて考えてみましたが、意外とどれもしっくりきます。ただ、余市はノンエイジなのでまだ未成年ということになりますが、だとしたらそうとう大人びた子供に感じてしまいます。
冬に飲みたい2本

さて今回は、今が12月の末ということで、冬にぴったりなウイスキーを2本紹介します。ひとつはエドラダワー10年、もうひとつはラガヴーリン16年です。それぞれキャラクターが全く異なりますが、2本に共通しているのはミディアム~フルボディであること。寒い季節にそういうウイスキーをゆったり飲む時間は至福です。今回もテイスティングした際の香り・味わいとともに紹介します。
エドラダワー10年

シェリー樽で10年間以上熟成したシングルモルトウイスキーです。市場価格は6500円ほど。熟成年数が若いわりに濃い赤茶色をしていますが、カートンに"NATURAL COLOUR"との記載があり、無着色のようです。
これまで飲んだシェリー樽熟成のウイスキー(グレンファークラス12年、グレンファークラス105、マッカラン12年シェリーカスク、アランシェリーカスク)は、正直どれも好みではありませんでした。そのため自分はシェリー樽ウイスキーが苦手だと思っていたのですが、初めてエドラダワー10年を飲んだとき好みの味だったので驚きました。
アルコール度数が40%でありながら濃厚な味わいで、その点がそれまで飲んできたシェリー樽ウイスキーと大きく違いました。マッカラン12年シェリーカスクも同じアルコール度数40%で、良い言い方をすれば上品ですが、端的に言うと味が薄いです。定価が9990円であることを考えると、物足りなく感じてしまいます。
ストレートでテイスティング

香り:
こってりとした甘さ。酸っぱさもあり、ラズベリーのような香り。
味わい:
ベリー系の甘味と酸味。香りの印象よりはドライ。クリーミーな口当たり。中盤以降にタンニンの渋みとスパイシーさ。鼻に抜ける余韻は完熟したベリー。
ベリー系の甘味と酸味に加え、渋み、スパイシーさもあり、これぞシェリー樽熟成という感じです。
強いてネガティブなことを言えば、口に含んでから余韻までの味の変化に乏しく、奥行きに欠けるように感じます。ただ、10年熟成のウイスキーにそこまで求めるのは酷でしょう。
ラガヴーリン16年

アイラ島にあるラガヴーリン蒸留所のシングルモルトウイスキーです。アルコール度数は43度。8年や10年などもありますが、熟成年数が長い16年がフラグシップ的な立ち位置になっています。
2、3年前は7000円前後で手に入り、熟成年数の割にリーズナブルなウイスキーでした。昨年あたりから高騰し、現在の市場価格は10000円前後です。一時品薄でしたが、最近は近所の酒屋に常に置いてあります。
ストレートでテイスティング

ラガヴーリン16年は量り売りで買って飲んだことがあり、すでにブログに感想を載せていますが、その際はカリラ12年との比較でした。改めてこのウイスキーに向き合ってテイスティングしてみます。
香り:
とげのないまろやかなピーティーさ。海藻より、葉巻っぽい。柑橘系の甘い香り、酸っぱさがあり意外と爽やかな印象。厚みのある上品な香り。
味わい:
甘味とコクが強く、濃厚な味わい。余韻のスモーキーさが主張しすぎず、全体を下支えしている感じ。アルコール感をほとんど感じない。
コク(出汁感)とスモーキーさがあり、多層的という言葉が似あうウイスキーです。甘味は表現が難しく、蜂蜜でもなく黒糖でもなく、強いて言うなら柑橘系の品のあるほどよい甘味です。
16年熟成ということで人間にしたら32歳。それにしては貫禄ありすぎです。
まとめ
ラガヴーリン16年はさすがのおいしさです。冬であれば飲み方は2本ともストレート一択でしょう。暖炉のある部屋でじっくり時間をかけて飲みたいですね。
ちなみにエドラダワー10年は加水、ロック、ハイボールで飲んだことがあるのですが、アルコール度数が低いからか、特長である濃い味わいが一気に薄まってしまいました。冬でなくともストレートがおすすめです。