りゃまがたのウイスキーノート

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テイスティングとウイスキーにまつわる雑談

新旧タリスカー10年飲み比べ【いまさら】

ハイボールを飲まなくなった話

身体が冷えるからという理由で、最近ハイボールを飲まなくなりました。「冷えは万病のもと」と言います。ただ、これまで出会った年配の方々を思い返すと、考え方や振る舞い方が若いひとほど見た目も若いというケースが多くありました。

「身体がどうなろうが飲みたいものを飲むぜ!」という健康への無頓着こそが若さの秘訣なのか。老け込んだ考え方をしていたら、かえって見た目も老け込んでしまうんじゃないか。

こんなとりとめのないことに頭を悩ませるのが一番不健康な気がします。

 

タリスカー10年新旧の比較

近所のやまやで旧ラベルのタリスカー10年のミニボトルを購入しました。フルボトルはすっかり見かけなくなりましたが、ミニボトルはいつも売っています。

新ラベルの販売開始からすでに1年以上経っているため、YouTubeやブログなどで新旧を比較したコメントが多数投稿されています。おおむね旧ラベルのほうが評価が高いようですね。

ではどういった違いがあるのか、どちらのほうが好みかを自分の舌で確かめてみます。

 

基本情報

タリスカー10年はスコットランドで生産されているシングルモルトウイスキーです。

2、3年ほど前は3000円台で買える超お手頃なシングルモルトだったはずが高騰し、新ラベルは5000円くらいが相場でしょうか。旧ラベルはネットでなら見つけることができ、武川蒸留酒販売だと並行品が5080円、正規品が6980円です(2023年4月22日時点)。

mukawa-spirit.com

 

アルコール度数は新旧ともに45.8%。この度数の高さが人気の一因で、当然40%のウイスキーをより濃い味わいが期待できます。

 

色を比べてみましょう。左が旧ボトルで、右が新ボトルで、色合いや色の濃さに違いはないようです。写真ではわかりづらいですが、新ボトルのほうが輝きがあります。


まずは旧ラベルをストレートで

香り:

軽やかで柑橘を思わせる上品な甘い香り。強い潮っぽさ。かすかにソーセージのような肉っぽさ。

 

味わい:

香り以上に強い甘味。ドライフルーツや果物の蜜のようなフルーティな甘さ。

中間に麦っぽさがあり、はじめの甘さとフィニッシュのスモーキーさを橋渡ししている印象。バランスが良い。鼻に抜ける余韻は弱く短い。

 

つづいて新ラベルをストレートで

香り:

バニラっぽい甘い香り。潮っぽさをともなうスモーキーさ。旧ラベルと比べて甘さが強く、スモーキーさが弱い。また、複雑さに欠ける。

 

味わい:

はちみつのような温かみのある甘味。旧ラベルより甘さが強く、スモーキーさが弱い。10~12年熟成のシングルモルトの中でかなり甘い部類。

麦っぽさが弱く、中間は単に甘さが薄らいでいく印象。そのためか旧ラベルよりライトに感じる。フィニッシュにスモーキーさが残る。余韻はこちらも弱く短い。

 

新旧に共通しているのは、アルコール度数が高い分、味が濃く満足感が高いこと。そしてそのわりにアルコール感が少ないことです。

ただ、そのほかについては別物と言っていいほど異なり、比較すると新ラベルは単調で個性に乏しい印象を受けます。

個人的には旧ラベルのほうが複雑な味わいを楽しめるので好きです。この複雑さやスモーキーさこそ旧ラベルらしさなんじゃないかと思います。

 

タリスカーといえばハイボール

冒頭で話した通り、最近はめっきりハイボールを飲まなくなりました。ただ、タリスカーハイボールが美味しいとされているウイスキーなので、試さないわけにはいきません。

 

まずは旧ラベルを使ってウイスキー:炭酸水=1:3の割合で作ったハイボールを飲んでみます。

甘さより磯っぽいスモーキーさが際立ちます。かすかに塩気を感じます。おいしくてすぐに飲み干してしまいました。

2杯目はスモーキーさに慣れたせいか、より甘さを感じるようになりました。果物の蜜のような甘さで、爽やかさがあり絶妙なバランスです。

 

新ラベルも1:3で作ってみます。

ほんのりバニラのような甘さがあり、後からスモーキーさを感じます。ぐびぐび飲める爽やかさなハイボールになりました。

ただ、言い方を変えると印象が薄いです。ティーチャーズと似ているような気がします。

割合を1:2.5に調整すると甘味が強まり、ぐびぐび飲むというよりじっくり味わうハイボールになりました。新ラベルはこのくらいの濃さにした方が好きです。

 

旧ラベルのハイボールのほうがスモーキーさが目立つ分より個性的で、ストレートにつづき、ハイボールも旧ラベルのほうが好みでした。

 

まとめ

旧ラベルのほうが評価が高いのがうなずける結果でした。個性的かつ複雑で、質のいいウイスキーであること感じさせます。数年前までこれが3000円台で買えたと思うと驚きです。

新ラベルは旧ラベルと比べると単調に感じてしまいます。ただ、甘味が強くスモーキーなウイスキーが好みの方にはおすすめで、5000円台でこの味わい、アルコール度数であれば決して高くないと思います。