りゃまがたのウイスキーノート

りゃまがたのウイスキーノート

テイスティングとウイスキーにまつわる雑談

オールドボトルを求めて、酒屋を巡る ①

酒屋にいってみよう

酒屋に入ったことがありますか?

私が住む町には酒屋が9軒ありますが、つい最近まで一度も訪れたことがありませんでした。

酒屋といっても酒を専門に取り扱う店はむしろ少数で、ほとんどは酒のほかに日用品や食料品などを売っている小さな商店といった感じです。そして今回訪れたのは酒専門の酒屋ではなく、商店のような酒屋のほうです。

では、なぜそういった酒屋に行ったかというと、そこにウイスキーのオールドボトルが眠っているかもしれないからです。オールドボトルの定義は様々ですが、おおむね2000年以前に出回っていたものを指すことが多いようです。

使われている原酒やブレンド比率の違いによって現行品と異なる味わいを楽しめるのが魅力で、ジョニーウォーカーやローヤルなどが人気です。そして、終売してしまいオールドボトルでしか飲むことができないウイスキーもあります。

手に入れる方法はいくつかあり、最もメジャーなのがオークションサイトやフリマアプリで購入することです。ただ、出品されているものがどのように管理されていたかがわかららず、写真だけで状態を確認しなくてはいけないため、ハズレを引くことも覚悟しなくてはいけません。

その点、酒屋で売っているものは誰の手に渡ることなく安置されていたでしょうし、現物を手に取って確認できるので不安が少ないです。また、これは個人的な考えですが、酒専門の酒屋より商店のような酒屋のほうが、店主にも客にも気にされないまま、ほこりを被ったオールドボトルがひっそりと売れ残っているように思えるのです。

休みの日に何店かを巡ることにし、グーグルマップで調べて、まずは家から最も近い酒屋に行きました。

 

田舎のコンビニのような酒屋

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実際に行ってみると田舎にある個人経営のコンビニのような感じです。

店に入ると「ピンポーン」というインターホンのような音が鳴り、レジの奥から「はーい」という女性の声が聞こえてきました。

店内を見渡すと陳列棚にお菓子やペットボトル飲料が並んでいて、他に客はいませんでした。同じ敷地内に店主の一軒家と思われる家が隣接していました。その家と店がつながっていて、客が来ると店頭に出てくるようです。

入店してすぐに酒類が置いてある棚に向かい、目を通します。あったのはオールドボトルどころか、スーパーで当たり前に売っているようなウイスキー数種類だけ。

少しがっかりしていると、奥から60代くらいの女性が出てきて「いらっしゃいませ」と声をかけられました。オールドボトルがないことを確認し終えた私はもう帰るだけなので、挨拶されたことにきまりの悪さを感じていました。

なにかを探しているふりをしながら店内をぶらぶらと歩き、そのまま出口に向かいました。店を出るときその店主らしき女性から「ごめんなさいね。探していたものはなかったでしょう」と言われ、苦笑いをしながら店を立ち去りました。

酒屋巡りをしようと思い立ったときは宝探しのような期待感で胸を膨らませていましたが、思いがけずさみしい気持ちになりました。店員は私が古いウイスキーを探しているだなんて少しも思わず、自分の店の品ぞろえの悪さを詫びたのでした。「酒屋に古い酒を探しに来て何が悪い」とひとり強がりましたが、やましいことしたような後味の悪さが残りました。

少しうらぶれましたが、ここで中断するわけにはいきません。なにせ、次に行く店にはオールドボトルが置いてあるという情報を事前に得ていたからです。気を取り直して2軒目へと向かいます。

つづきます。

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